ホーム > 第57回地域農林経済学会大会

地域の豊かさとは何か -農林業からの展望-

座 長  北川 太一(福井県立大学)
第1報告 秋津 元輝(京都大学)
  「地域の豊かさへのアプローチ―地域農林業研究における志しの復権―」  
第2報告 大江 靖雄(千葉大学)
  「多角的資源利用と農村経済の持続性」
第3報告 本野 一郎(神戸大学農学部地域連携センター)
  「農の豊かさの追求と地域の価値」
総括コメンテーター 増田 佳昭(滋賀県立大学)

「地域」を冠している本学会のアイデンティティを再確認・再構築することを目的とした大会シンポジウムを、本年度以降、継続して取り上げていく予定である。
 その第1ステップとして本大会では、特に「地域の豊かさ」(くらし、モノ、資源、人と人とのつながり、社会などの豊かさ)を素材にしながら、グローバリズムが席巻し、都市と地方の「格差」問題等が取り上げられる中での「地域」の価値を見出し、地域農林業研究の論理・方法論を再構築するための糸口を見つけることをねらいとしている。
 第1報告(秋津)では、本シンポの総論的位置づけも兼ねて、まず本学会がこれまで論じてきた「地域」の概念・捉え方の批判的サーベイを行う。そのうえで、地域の豊かさというテーマに向かって、地域農林業研究がとるべき基本姿勢について検討する。
 第2報告(大江)では、農業・農村資源の多面的機能・多角的利用に関する経済的アプローチを通じて、農村地域の資源・モノの豊かさについて検討する。
第3報告(本野)では、「農」(農林業、食、農村など広く捉える)が持つ豊かさの考え方(思想、理念)、これを追求・実現していくうえでの「地域」が持つ意味・価値について、実践家の立場から問題提起する。
 なお、本シンポジウムでは、コメンテーターを一人(総括コメンテーター)として、三つの報告にはなかった観点も含めて論点・問題を提起してもらう。これらを踏まえて、フロアーも交えて活発な討議を行っていきたい。

※写真:(三橋節子「裏山の収穫」より)