大会シンポジウム10月26日 (日) [9:30〜15:00]

   続・地域の豊かさとは何か 
    −地域キャピタル論の可能性−


座 長  池上 甲一(近畿大学)
第1報告 中村 貴子(京都府立大学)
      「多様な生き物と共存する農の豊かさ―自然キャピタルの構築に向けて」
第2報告 澁谷 美紀(東北農業センター)
      「商品化される暮らしを越えて―生活文化キャピタル」
第3報告 大森けんいち(近畿大学)
      「地域経済ネットワークの再構築―地域キャピタルの経済学序説」
総括コメンテーター
      秋津 元輝(京都大学)、飯國 芳明(高知大学)


 本年度のシンポジウムの目的は、「地域の豊かさとは何か――農林業からの展望」の成果を受けて、その「豊かさ」の内実をどのように把握し、いかに発現させることができるのかについて議論を深めることである。「豊かさ」を具体的に捉えるための手掛かりとして、私たちは「地域キャピタル」という概念を導入し、できるだけ事例に即してその有効性を検証するとともに、農村地域の豊かさという問題意識を明確化するための方法論的妥当性についても論じたい。本年度はさしあたり、「自然キャピタル」「生活文化キャピタル」「経済キャピタル」という3つの側面から「地域キャピタル」に接近することとした。
第1報告(中村)では主として兵庫県豊岡市の「コウノトリ育む農法」を素材に、自然キャピタルという視角から農村の自然環境、生物多様性や空間を農村の生産・生活に組み込むことの意味について検討する。
第2報告(澁谷)では農村に数多く存在している民俗芸能を対象として、それが伝承される「場所」と「時間」の過程に注目し、とりわけ生活文化の持つ地域の豊かさの内実を浮かび上がらせる。
第3報告(大森)では、地域産業連関分析の枠組みを用いて、資本や信用の地域内循環による「地域内再投資」の経済学的意義を議論する。
なお、昨年度報告者(秋津)にもコメンテーターとして加わってもらい、議論の連続性を確保する。さらにもう1人のコメンテーター(飯國)からは独自の論点を提示してもらい、フロアーを含む全参加者の間で活発な議論を行いたい。