ホーム > 第60回地域農林経済学会大会

グローバル化時代における地域農林業の新しい地平を拓く

基調講演:地域農林業研究とメゾ・エコノミクス(講演者:原洋之介)

座長 野田公夫(京都大学)

第1報告 大隈 満(愛媛大学)
      グローバル化の下での地域農業・農政の変容と展望

第2報告 片岡美喜(高崎経済大学)  
      農と食の連携による地域農林業の維持・発展方策の限界とブレイクスルー
      
第3報告 中塚雅也(神戸大学)  
      多様な主体の協働による地域社会・農林業の豊かさの創造


コメンテーター
1. 中村繁男(京都府農林水産部)
2. 池上甲一(近畿大学)
座長解題

地域農林業をめぐる問題状況と、60回という一つの節目になる大会であることをふまえ、上記のテーマを設定いたしました。その意図は次のようなものです。
(1)グローバリゼーションのもたらした地域と地域農林業の変化を確認するとともに、かかる変化を単なる「受難」として受けとめるのではなく、地域農林業にとってひとつの「新しい環境」として再把握したい。
もちろん、国(国政)が国としての役割を発揮することが不可欠であり大前提ですが、「適切な役割分担」を創りだし主張していくうえでも、地域の側からの積極的な発話が必要であると考えます。

(2)「理論」からではなく「現実」のなかからこそ、「地域農林業の新しい地平を拓く」方向性を見いだしたい。50回記念大会(2000年度)では、「研究と現場」という課題設定のもとに集中的な討議を行いました。地域・農林という名を課した学会に再編されてほぼ10年という時期に取り組まれた同大会では、「学(地域農林経済学)」の側が「地域(現場)」をどう理解しどう位置づけるかということこそが最大の関心事でした。今大会では議論を一歩すすめ、「地域農林業(現実)」を見つめその先端の動きをとらえることを通じて「学(地域農林経済学)」のありようを考えてみたいと思います。
以上の問題意識のもとで、3本の報告を用意しました。まず、プラザ合意以降現在に至るグローバル化が地域農林業に及ぼした影響を把握し(第1報告・大隈満)、そのうえで 「食と農の連携」(第2報告・片岡美喜)および「多様な主体の協働」(第3報告・中塚雅 也)をキーワードにして地域農林業の最新の動きに目をこらし、「これから」を見据えたいと思います。また、京都府農林水産部・中村繁男課長に行政の経験をふまえた批判と注文を、池上甲一氏にはメゾエコノミクスをめぐる学会討議の継承と発展という視点からのコメトをお願いしております。活発で建設的な討議ができますことを期待しております。